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セットメーカーの選び方とは?一気通貫発注で装置開発リスクを抑える方法

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製造業における自動化設備や試験・測定装置の開発プロジェクトでは、構想設計から機械・電気・制御・ソフトウェアの設計、製作、組立、動作確認までをセットメーカーへ一括して発注する「一気通貫発注」が、開発リスクを抑えながらプロジェクトを円滑に進めるための有効な選択肢となります。

本記事では、装置開発におけるセットメーカーの役割や、分業発注と一気通貫発注の違いを比較し、セットメーカーを選定する際の5つのポイントを解説します。

工場の自動化や装置開発における技術リソース不足、分業発注による不具合発生時の責任範囲の不明確化といった課題を解消し、プロジェクトを予算内で円滑に進めるためのガイドとしてお役立てください。

 

 

セットメーカーとは?製造業における定義と役割


セットメーカーとは、一般的に単一の部品を個別に供給するのではなく、機械、電気、制御、ソフトウェアなどの複数領域を組み合わせ、実際に稼働できる装置やシステムとして納品する事業者を指します。

個々の部品や機器を組み合わせるだけでなく、目的とする動作や性能を実現できる状態にまで仕上げる点が、一般的な部品メーカーや素材加工メーカーとの大きな違いです。

製造現場の自動化や装置の高度化が進むなか、セットメーカーは単に図面どおりに装置を組み立てるだけの存在ではありません。発注企業が抱える現場課題や開発目的を整理し、装置全体の構成を検討したうえで、設計・製作・立ち上げまでを管理するエンジニアリングパートナーとしての役割を担います。

セットメーカーが手がける主な装置開発

装置開発を行うセットメーカーが手がける対象は、大きく「製造現場向けの自動化設備」と「研究・開発や性能評価に使用する専用装置」に分けられます。いずれも既製品をそのまま導入するのではなく、顧客ごとの目的や使用環境に合わせて個別に設計・製作する点が特徴です。

<自動化装置(FA装置)開発>

自動車部品工場や半導体製造工場などの生産現場に向けて、カスタム設備や検査用治具、自動搬送機、組立装置などを開発・導入する分野です。

生産技術担当者が抱える「既存ラインを省力化したい」「手作業による組立や搬送を自動化したい」「既存設備とロボットを連携させたい」といった個別の課題に対して、現場条件を踏まえた一品一様の装置を構想から設計・製作まで一括して提供します。

<研究・開発型装置の開発>

メーカーの研究開発部門や技術部門に向けて、新製品や新技術の性能を評価する試験機、測定機、実験観察機などを開発する分野です。

市販の試験機や標準装置では評価できない条件に対応するため、試験方法や計測対象、必要な精度などを整理し、機械・電気・制御・ソフトウェアを組み合わせた専用装置として具現化します。

そのため、セットメーカーを選定する際には、自社が必要としている装置の種類や技術領域に近い開発実績があるかを確認することが重要です。生産ラインで使用する自動化設備と、研究開発で使用する試験・測定装置では、求められる設計条件や技術的な知見が異なるためです。

構想設計から製作・立ち上げまでを網羅する一気通貫体制

装置開発を行うセットメーカーの大きな強みは、上流の構想設計から機械・電気・制御・ソフトウェアの各設計、部品選定、製作、組立、動作確認、現地での立ち上げまでを一貫して対応できる体制にあります。

装置を構成する各領域が一連の流れとして連携するため、工程間における情報の抜け漏れや、機械・電気・制御間の技術的な不整合が発生しにくくなります。

一気通貫の装置開発は、主に以下のような流れで進行します。

  1. 課題整理・仕様検討
    自動化したい作業や評価したい性能、設置環境、対象物、処理能力などを確認し、装置に求められる要件を整理します。
  2. 構想設計
    装置の機能や動作フロー、機器構成、レイアウト、安全対策など、システム全体の基本構成を策定します。
  3. 機械・メカ設計
    装置本体、治具、搬送機構、ロボットハンドなどを設計し、必要な精度や強度、操作性、メンテナンス性を検討します。
  4. 電気・制御設計
    制御盤や電気回路、センサー、モーター、PLCなどを選定し、装置を安全かつ安定して動かすための制御構成を設計します。
  5. ソフトウェア開発
    装置の動作制御、操作画面、データ収集、判定処理、上位システムとの連携など、目的に応じたソフトウェアを開発します。
  6. 部品手配・製作・組立配線
    設計内容に基づいて必要な部品や機器を手配し、装置の製作、機械組立、制御盤製作、配線を行います。
  7. 調整・動作確認・立ち上げ
    設計した動作や性能が実現できているかを実機で確認し、必要に応じて機械・電気・ソフトウェアを調整します。導入先で据付や試運転を行う場合もあります。


このように、装置全体を理解するセットメーカーが各工程を一元的に管理することで、設計上の課題を早い段階で発見しやすくなり、工程間の調整や手戻りを抑えながら開発を進められます。

分業発注と一気通貫発注の違い


外部の受託企業や製造ベンダーと取引を推進する際、複数の企業に各工程を分けて発注する「分業発注」と、1社にすべての工程を託す「一気通貫発注」の2つのアプローチ が存在します。それぞれのやり方に構造的な特徴と運用の差があり、自社の開発リソースや要求される品質に応じて最適な手法を選択することが推奨されます。

分業発注における責任の所在と手戻りリスク

分業発注には、機械設計、電気設計、制御ソフトウェア、装置製作など、それぞれの工程で専門性の高い会社を個別に選定できるメリットがあります。

一方、この方式を維持するためには、発注側が各社をハンドリングし、装置全体の仕様や各領域の接続条件を管理する、高度なプロジェクトマネジメント力と技術リソースが必要です。

十分な管理体制を確保できないまま分業発注を行うと、装置の試運転段階で不具合が発生した際に、「機械機構の問題なのか」「電気配線の問題なのか」「制御プログラムの問題なのか」といった原因の切り分けが難航することがあります。

例えば、機械設計会社と制御会社の間で認識が共有されていなければ、「センサーを取り付けるスペースがない」「機構の動作速度と制御条件が合わない」「既存設備との信号接続ができない」といった問題が、組立や試運転の段階で発覚する可能性があります。

このような領域間の不整合によって再設計や追加工事が発生すると、納期の遅延や予算超過につながります。

一気通貫発注による開発期間の短縮と装置品質の向上

一方、構想設計から機械・電気・制御・ソフトウェアの設計、製作、組立、動作確認までを1社のセットメーカーに集約する一気通貫発注では、装置全体の整合性を確認しながら開発を進められます。

同一のプロジェクト内で各分野の担当者が連携するため、初期の設計段階から、機械構造とセンサーの配置、駆動機器と制御方式、既存設備との信号連携などを並行して検討できます。

万が一、組立や試運転の段階で想定外の挙動が発生した場合も、装置全体を把握するプロジェクトチームが原因を切り分け、機械設計の変更や制御プログラムの修正などを連携して進めることが可能です。

問い合わせや調整の窓口も1社に集約されるため、発注者が複数の会社の間に入って対応方針を調整する負担を軽減できます。その結果、手戻りを抑えながら、装置の立ち上げまでを円滑に進めやすくなります。

分業発注と一気通貫発注の比較

分業発注と一気通貫発注の実質的な違いを客観的に比較するため、主要な評価指標に沿って下記の比較表として整理しました。自社の現在の体制と照らし合わせながらご覧ください。

評価指標 分業発注 一気通貫発注
対応窓口 機械、電気、制御、製作など複数存在し、調整が複雑化しやすい 1社の窓口担当者に集約され、連絡や判断がしやすい
責任範囲 不具合発生時に、領域ごとの原因の切り分けが必要 装置全体を把握するセットメーカーが原因究明を主導
手戻りリスク 領域間の仕様共有が不足すると、組立・試運転時に不整合が発生しやすい 各分野が設計段階から連携し、不整合を早期に発見しやすい
開発期間 各工程間の引き継ぎや調整に時間を要しやすい 並行して検討できる工程が増え、開発を円滑に進めやすい
機器・部品の管理 各社が使用する機器や部品の仕様を発注側で確認する必要がある 装置全体の仕様に基づき、必要な機器や部品を一元的に選定・管理
管理工数 各社との連絡や進捗管理、不具合時の調整工数が増えやすい 窓口と進捗管理が一本化され、発注側の管理負担を軽減しやすい

社内に機械・電気・制御・ソフトウェアの各領域を統合できる技術者が不足している場合や、複数の委託先を管理するリソースを確保できない場合には、一気通貫発注が有効な選択肢となります。

失敗しないセットメーカー選定の5つのポイント


セットメーカーへの一気通貫発注を決断したとしても、その委託先が自社の要求する技術レベルや対応スピードを満たしていなければ、期待した成果は得られません。「何でもできます」という企業の言葉を鵜呑みにせず、いくつかの客観的な基準を設けて選定作業を進めることが推奨されます。

ここでは、製造業の現場で失敗しないパートナーを選ぶための5つの重要なチェックポイントを解説します。

機械・電気・制御・ソフトウェアを一括設計できるか

1つ目のポイントは、電気回路設計、ソフトウェア開発、そして筐体や駆動メカの機械設計という、全く異なる3つのエンジニアリング領域をすべて高い次元で統合して一括設計できる体制が整っているかという点です。

これらの分野はそれぞれ必要な学術領域や開発アプローチが異なりますが、現在の高機能な電子機器や自動化装置において、それぞれを切り離して設計することは不可能に近いためです。

もしセットメーカーの得意領域が偏っており、例えば「機械設計には対応できるが、制御設計やソフトウェアは別会社へ委託している」という場合、会社間の調整が必要となり、仕様の伝達漏れや認識のずれが発生する可能性があります。その結果、組立時や試運転時に「センサーを設置できない」「想定した動作速度を実現できない」「既存設備と信号を接続できない」といった問題が発覚することがあります。

各設計部門が連携し、必要に応じて迅速に設計変更へ対応できる体制が整っているかを確認しましょう。

使用機器の選定や仕様変更に柔軟に対応できるか

2つ目のポイントは、装置の目的や使用環境に合わせて、ロボット、センサー、PLC、モーター、画像処理機器などを適切に選定できるかという点です。

自動化設備や専用装置では、単に高性能な機器を採用すればよいわけではありません。必要な処理能力、精度、安全性、設置スペース、既存設備との接続性、メンテナンス性などを踏まえ、装置全体に適した構成を検討する必要があります。

また、設計途中で対象物や動作条件が変更された場合や、選定した機器の納期が長期化した場合には、代替機器への変更に伴って、機械構造、電気回路、制御プログラムなどの見直しが必要になることがあります。

そのため、機器の手配だけでなく、変更による装置全体への影響を評価し、必要な設計変更まで一貫して対応できる体制があるかを確認することが重要です。

要求する動作や性能を実機で確認できるか

3つ目のポイントは、製作した装置について、要求仕様に沿った動作確認や性能確認を行える体制があるかという点です。

自動化設備や試験装置では、装置が動くだけでなく、対象物を正しく搬送・組立・計測できるか、必要なタクトタイムや精度を満たしているか、安全に運用できるかを確認する必要があります。

選定時には、以下のような内容を、設計・製作を担当したセットメーカーが一貫して確認できるかを確認しましょう。

  • 想定した動作フローが正常に実行されるか
  • 必要な処理時間や位置決め精度を満たしているか
  • センサーや安全装置が正しく機能するか
  • 異常発生時に装置が安全に停止するか
  • 対象物や使用条件が変わった場合にも調整できるか
  • 既存設備や上位システムと正しく連携できるか

また、試験機や測定機の場合は、計測方法や評価条件を含めて要求仕様を整理し、必要な性能を満たしていることをどのように確認するのか、事前に合意しておくことも重要です。

課題や構想段階の仕様に寄り添う対応力があるか

4つ目は、顧客のあやふやなイメージや仕様書が作れない状況からプロジェクトに参画し、伴走してくれる技術的コミュニケーション力です。実際、多くの発注者が「どのような装置を作れば工場のラインが効率化できるか、最適な要件が明確にまとまっていない」「要求仕様書を作る時間も専門知識もない」という現実に直面しています。

このような状況で、融通の利かない会社に相談すると「完璧な仕様書を提出してください」「図面がなければ見積もりできません」と断られてしまいます。一方、現場に寄り添うセットメーカーであれば、初期の打ち合わせから経験豊富なエンジニアが直接参加し、現場の様子や現在手作業で行っている動作をヒアリングした上で、「この工程であれば、対象物の供給方法とロボットの動作をこのように構成することで、自動化できる可能性があります 」と、具体的なイラストやフローを交えて仕様化の手伝いを行います。この伴走姿勢の有無が、開発をスムーズに進めるためのキーとなります。

構想から設計・製作までの一貫した装置開発実績があるか

5つ目は、構想設計から機械・電気・制御・ソフトウェアの設計、製作、立ち上げまでを一貫して手がけた装置開発実績があるかという点です。

自動化設備や試験装置は、対象物、使用環境、必要な精度、処理能力などによって構成が大きく異なります。そのため、自社が検討している装置と同じ業界の実績だけでなく、類似する動作、制御方法、計測技術などの経験があるかを確認することが重要です。

実績を確認する際には、どのような課題に対して、どの技術を組み合わせて装置を構成したのか、開発途中に発生した課題をどのように解決したのかを確認してください。

具体的な装置開発事例を提示し、構想から立ち上げまでの対応範囲や技術的な工夫を説明できることは、セットメーカーの対応力を判断する材料になります。

構想段階から伴走するTMCシステムの一貫体制


TMCシステムでは、機械・電気・制御・ソフトウェアの設計開発から、部品選定、装置製作、組立、動作確認まで、一気通貫で対応しています。 「複数の取引先との調整業務に負担を感じている」「仕様が固まっていない段階から装置開発を相談したい」といった課題に対し、構想段階から伴走し、プロジェクトを推進します。

技術領域を網羅する機械・電気・ソフトの一体開発

TMCシステムの強みは、機械設計、電気・制御設計、PLC制御、ソフトウェア開発など、装置開発に必要な複数の技術領域を組み合わせられるエンジニアリング力にあります。プロジェクトの初期段階から各分野のエンジニアが連携し、装置全体の基本構成を検討します。

この一体開発体制により、機械機構とセンサーの配置、駆動機器と制御方式、装置の動作とソフトウェア処理などを横断的に検討できます。複数のベンダーをお客様自身で調整する負担を軽減するとともに、設計段階から各領域の整合性を確保し、手戻りを抑えながら、目的や現場条件に合った装置開発を進められます。

構想段階から設計・製作まで一貫して対応した、様々な業界における導入実績につきましては、「装置導入事例資料」をぜひご覧ください。

TMCシステム 装置導入事例 資料ダウンロード

製造現場の課題を装置導入でどう解決し、どのような効果が得られたのか。成功事例を厳選し、1冊の事例集にまとめました。(全27ページ)



セットメーカーの選定に関するよくある質問

ここでは、セットメーカーへ一気通貫発注を検討される際や、TMCシステムへのご相談に関して、お客様から頻繁にお寄せいただくご質問とその回答をまとめました。

仕様書が未完成の構想段階からでも相談できますか

はい、まったく問題ありません。

TMCシステムへご相談をいただく多くの案件は、むしろ「自動化したい作業があるが、どのような装置が必要か分からない」「実施したい試験や測定は決まっているが、それを実現する装置の仕様をまとめられない」 といった、初期の構想段階からスタートしています。

お打ち合わせには、経験豊富なセールスエンジニアや設計担当者が直接参加し、お客様のお悩みや期待するゴールをヒアリングします。その内容を技術的に実現可能な要件へと分解し、構成イメージやフロー図を作成して、仕様書作成の段階から一緒に伴走いたしますので、安心してご相談ください。

一部の工程(設計のみ等)だけの依頼も可能ですか

はい、お客様の社内リソースや既存の取引構造に合わせて、特定の工程に限定したご依頼も柔軟に承っています。

「機械設計までは自社で対応できるため、電気制御とソフトウェア開発を依頼したい」「装置の構想は固まっているため、詳細設計から製作・組立までを依頼したい」といった個別のご要望にも対応可能です。

一気通貫対応がTMCシステムの大きな強みではありますが、部分的な委託であっても、それ以外の工程との接続性を十分に意識した丁寧なサポートを提供します。どのようなご予算や体制のパターンであってもご安心ください。

使用する機器や部品が長納期化した場合にも対応できますか

装置に使用する機器や部品については、必要な性能や仕様を確認したうえで、できる限り安定して入手できる製品を選定します。

設計途中で選定したセンサー、PLC、モーター、計測機器などが長納期化した場合には、同等の機能を持つ代替機器を検討します。

機器を変更すると、取付寸法、電気仕様、通信方式、制御プログラムなどの変更が必要になる場合があります。TMCシステムでは、機械・電気・制御・ソフトウェアの各領域が連携し、装置全体への影響を確認しながら必要な設計変更を検討します。

ただし、使用する機器や要求仕様によって対応方法は異なるため、具体的な納期や代替可否については案件ごとに確認します。

最適なセットメーカー選びで装置開発を円滑に進める

構想設計から機械・電気・制御・ソフトウェアの設計、製作、動作確認までを一つの企業に任せる一気通貫発注は、装置開発における技術リソース不足や、複数の委託先を管理する負担を軽減するための有効な選択肢です。

装置全体を把握するセットメーカーに依頼することで、領域間の技術的な不整合を早期に発見しやすくなり、不具合発生時の原因究明や設計変更も連携して進められます。

TMCシステムでは、機械・ハードウェア・ソフトウェアの技術を組み合わせ、自動化設備、試験機、測定機、実験観察機など、さまざまな装置の開発を支援しています。

機械・ハード・ソフトを組み合わせた一貫体制により、現場の課題や開発目的に合わせた装置をご提案します。自動化設備・専用装置の開発についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

 

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