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マシンテンディング自動化の4つのメリットとは?|導入課題と解決策も解説

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製造現場における人手不足の深刻化に伴い、工作機械やプレス機、射出成形機などへのワークの投入・取り出し作業「マシンテンディング」の自動化への注目が急速に高まっています。

これまで作業員が手作業で行ってきたマシンテンディングを協働ロボットで代替することで、工場全体の稼働効率や製品品質の向上、そして限られた人的リソースの最適配置が実現します。

本記事では、マシンテンディング自動化で得られる4つのメリットと、導入時によくある課題の解決策を詳しく解説します。導入効果と実装方法を理解することで、製造現場の経営判断に必要な情報が得られます。

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製造現場の課題を装置導入でどう解決し、どのような効果が得られたのか。成功事例を厳選し、1冊の事例集にまとめました。(全27ページ)

 

 

 

製造現場におけるマシンテンディングの課題

工作機械へのワークの投入・取り出しを行うマシンテンディングは、製造ラインを支える重要な工程の一つですが、人の手による作業にはさまざまな課題があります。

工場の生産性に影響をもたらす課題には、以下の5つが挙げられます。

課題1. 作業員を常に配置する必要がある

製造ラインの稼働中は、ワークの着脱のために作業員を常に配置しなければなりません。人手不足の現場では、ほかの付加価値の高い業務に人員を充てることが難しくなります。

特に多品種少量生産の現場では、段取り替えを伴う複雑な作業が増えるため、より多くの人手が必要になり、採算性の悪化につながることもあります。

課題2. 身体的な負担や安全性が懸念される

重量のあるワークの持ち上げや、繰り返しのワーク着脱作業による反復的な動作は、身体への負担が大きくなります。また、油や切粉が舞う環境での作業では、健康への影響や事故のリスクも無視できません。

長時間の同じ姿勢での作業は、腰痛や肩こりといった職業病の原因となり、作業員の健康寿命を縮める要因にもなります。

課題3. 機械のダウンタイムが生じる

作業員の休憩時間や交代時などにマシンテンディングの担当者が不在になると、工作機械の稼働を停止せざるを得なくなります。わずかなダウンタイムの積み重ねが、稼働率を下げる要因となることも少なくありません。

一日の稼働時間のうち、わずか5~10%のダウンタイムでも、年間では数日分の生産機会を失うことになります。

課題4. 休日・夜間の稼働が制限される

休日・夜間に作業員を配置することが難しい工場では、工作機械の稼働も制限されてしまいます。「人がいるときにしか工作機械を稼働できない」といった状態になり、製造のリードタイムの長期化を招きます。

グローバルな納期要求に応えるためには、24時間稼働の実現が競争力を左右する重要な要素となっています。

課題5. ヒューマンエラーが発生しやすい

ワークの着脱作業を長時間にわたって繰り返すと、疲労や集中力の低下を招き、位置決めのずれやボタンの押し間違いといったヒューマンエラーを誘発します。その結果、品質のばらつきが発生し、製造コストの増加につながる可能性があります。

不良品の発生率が高いと、顧客クレームにもつながり、企業の信頼性にも悪影響を与えます。

 

 

マシンテンディングを自動化するメリット

マシンテンディングの課題を解決するには、これまで作業員が行ってきた動作を代替できる「協働ロボット」を活用した自動化が有効です。

マシンテンディングを自動化する具体的なメリットには、以下が挙げられます。

メリット1. 工場の稼働効率を高められる

協働ロボットを導入してマシンテンディングを自動化する大きなメリットといえるのが、工作機械の稼働率を高められることです。

工作機械へのワークのセットから加工後の取り出しまでの一連の作業を自動化することで、作業員の配置が難しい夜間・休日でも稼働させることが可能です。24時間稼働を実現することで、限られた設備投資から最大限の生産能力を引き出すことができます。

また、ワークに合わせて治具交換や位置補正を行える協働ロボットを導入すれば、工作機械のダウンタイムを最小限に抑えられます。これにより、工作機械の稼働率が高まり、工場全体の生産性向上と製造リードタイムの短縮につなげられます。

複数業種への適用例:
工作機械(CNC旋盤、マシニングセンタ)へのマシンテンディング自動化の他、プレス機への板金材料の自動供給、射出成形機への樹脂部品の着脱なども同様の効果が期待できます。


メリット2. オペレーションの精度が向上する

作業員がマシンテンディングを行う場合には、ワークのわずかなずれや操作ボタンの押し間違いなどのエラーが発生して、製品不良を招く可能性があります。

また、作業員ごとの「見えないクセ」や「スキルの差」によって、力加減・位置の正確性・作業スピードにもばらつきが生じることも問題の一つです。

マシンテンディングを協働ロボットに代替すると、一定の力加減と繰り返し精度で正確な位置へのワークのセットが可能になります。オペレーションの精度が高まることで、加工品質が安定して歩留まりの改善につながります。

その結果、スクラップ率の低減や顧客満足度の向上にもつながり、企業の信頼性向上にも貢献します。

メリット3. 人員配置の最適化を図れる

人手不足が深刻化している製造現場において、マシンテンディングの反復作業に人員を割き続けることは、効率的な生産体制とはいえません。

マシンテンディングを協働ロボットに代替して自動化できれば、作業員をより付加価値の高い作業に配置することが可能です。例えば、段取り替え、初品検査、品質管理、設備保全といった専門性の高い業務に人的リソースを集中させることで、現場のスキルアップにもつながります。

限られた人的リソースを有効に活用できる人員配置に見直すことで、現場の省人化による人手不足の解消や労働生産性の向上につなげられます。

メリット4. 作業環境の安全性を高められる

重量のあるワークの出し入れや、油汚れ・粉じんが生じるような加工現場でマシンテンディングを自動化すると、作業員の身体的な負担を軽減することが可能です。

「反復作業はロボットに任せて、作業員は現場の監視や品質管理を行う」といった分業体制を構築することにより、安全で働きやすい作業環境の実現につながります。

また、加工工程で懸念される工作機械への「挟み込み」「巻き込み」や「油や化学物質によるやけど」などの労働災害を回避できることも、自動化の大きなメリットの一つです。作業員の健康を守り、雇用の継続性を確保することは、企業の持続可能性にも直結しています。

関連記事:「工作機のマシンテンディングとは?自動化の課題とロボット導入事例

 

 

マシンテンディング自動化の導入ステップ

マシンテンディング自動化の導入は、以下のステップで進めるのが一般的です。

ステップ1. 現状分析と自動化目標の設定

まず、現在のマシンテンディング作業の内容、人員配置、課題を詳細に把握します。稼働率、ダウンタイム、品質不良率などを数値化し、自動化によってどの程度の改善を目指すのかを明確にすることが重要です。

ステップ2. 協働ロボットの選定と導入計画

対象ワークの形状・重量、工作機械のサイズ、既存設備との適合性などを踏まえて、最適な協働ロボットを選定します。詳しい選定ポイントについては、「協働ロボット選定のポイント」の記事をご参照ください。

同時に、スペース確保、安全教育、システムインテグレーション(SI)事業者との打ち合わせなどの導入計画を立てます。

ステップ3. システム構築と試験稼働

協働ロボット、グリッパー、ワークストッカー、制御システムなどを組み合わせたマシンテンディング自動化システムを構築します。試験稼働の段階では、ワークの着脱精度、サイクルタイム、既存設備との連携を確認し、必要な調整を行います。

ステップ4. 本稼働と効果測定

システムが安定稼働することを確認した後、本格的な運用を開始します。稼働率、人員削減効果、品質向上、投資回収期間などを継続的に測定し、導入効果を可視化することが重要です。

 

 

マシンテンディング自動化の導入における課題と解決策

マシンテンディング自動化のメリットは明確ですが、実際の導入段階では、多くの現場が特有の課題に直面します。ここでは、よくある課題と解決策を紹介します。

課題1. 既存設備への後付けが難しい

工作機械やプレス機などの既存設備は、最新の協働ロボットとの連携を想定していないため、ロボットシステムの統合が困難なケースが多いです。

解決策:

既存設備とロボットシステムを統合するには、現存する設備の仕様を詳しく調査し、最新のロボット技術に合わせた改修設計が必要です。古い図面が残っていない場合は、リバースエンジニアリング技術により現物から図面を復元することで、既存設備の一部改修にとどめながら、段階的な自動化を実現できます。

課題2. スペースが限られている

多くの製造現場ではスペースに余裕がなく、これまで作業員が立っていたスペースに大型のロボットシステムを設置することは難しいです。

解決策:

限られたスペースでの導入を実現するには、カスタム設計による省スペース対応が必要です。既存ラインのレイアウト変更を最小限に抑えながら、現場に最適化されたシステムを構築することで、大幅な工場改修を避けることが可能です。

課題3. 既存機械の制御盤との連携が複雑

マシンテンディングを自動化するには、協働ロボットと工作機械が正確に「会話」できる仕組みが必要ですが、既存機械の制御盤との信号連携は、メーカーや機種ごとに異なるため、システムインテグレーションが複雑になりやすいです。

解決策:

複雑なシステムインテグレーション(SI)に対応するには、機械設計、ハードウェア設計、ソフトウェア開発の知見を統合した総合的なアプローチが必要です。ワンストップで対応できる体制が、導入期間の短縮と品質向上につながります。

課題4. 標準的なソリューションでは対応できない

市販されているマシンテンディングソリューションは標準的な工作機械や生産ラインを想定しているため、複数メーカーの機械が混在していたり、特殊な加工工程があったりする現場では対応できないことがあります。

解決策:

現場特有の課題に対応するには、オーダーメイド設計が不可欠です。導入前に現場の具体的な要件をヒアリングし、その現場に最適化されたシステムを構築することで、必要な機能に絞った効率的な投資が可能になります。

 

 

マシンテンディング自動化を成功させるためのポイント

全工程を一度に自動化しようとすると、費用や工期がかかり、効果測定が複雑になります。こうした課題を回避し、確実な成功へ導くには、段階的なアプローチを取ることが重要です。

ポイント1. 初期投資を抑えながら計画的に進める

協働ロボットやグリッパー、制御システムなど複数の設備導入に加え、既存設備の改修やシステムインテグレーション費用が加算されると、初期投資が膨大になります。

さらに、複数工程の同時自動化は生産停止期間が長くなります。段階的に導入することで、初期投資を抑えながら財務負担を平準化でき、計画的な展開が可能になります。

ポイント2. 工程ごとに自動化を進め、効果測定を明確に

工程ごとに段階的に自動化を進めることで、各段階での効果を明確に測定できます。稼働率向上、不良率低減、人員削減などの改善効果を数値で把握することができ、期待した効果が得られない場合も、どの工程に原因があるのかを特定しやすくなります。

また、導入後に新たな課題が発覚した場合も、対象工程が限定されているため、柔軟に対応・改修することができます。次のステップへの判断基準も得られます。

ポイント3. ボトルネック工程から優先順位をつけてスタート

最も効果的なアプローチは、工場全体を俯瞰し、最もボトルネックになっている工程から自動化することです。

生産リードタイムが長い工程、品質不良が多発している工程、作業員の身体的負担が大きい工程、機械のダウンタイムが長い工程など、改善効果が最も見込める工程から優先順位を付けてスタートします。

ただし、複雑なワーク着脱や臨機応変な判断が必要な作業では、人による作業の方が効率的な場合もあります。無理に自動化するのではなく、自動化の効果が最も高い工程を見極めることが重要です。

 

 

まとめ

マシンテンディングの自動化は、製造現場の人手不足、稼働効率低下、品質のばらつき、作業員の負担といった課題を解決する強力な手段です。協働ロボットの導入により、工作機械やプレス機、射出成形機など、さまざまな加工工程で自動化のメリットを実現できます。

ただし、メリットばかりではなく、様々な課題やハードルが存在し、工場の環境や状況によって最適なアプローチは異なります。

TMCシステムは機械設計からシステム構築までをワンストップで対応し、貴社の環境や状況に合わせたオーダーメイド設計による、最適なソリューション案をご提案させていただきます。まずは、現場の課題をお聞かせください。

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