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振動試験の基礎をわかりやすく解説|目的や主な種類、発見できる不具合まで完全網羅

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振動試験の基礎知識と重要性を解説

振動試験は、製品や部品が使用中または輸送中に受ける振動を人工的に再現し、耐久性や信頼性、安全性を評価するための試験です。

自動車部品、電子機器、産業機器など、実際の現場ではさまざまな製品が継続的または突発的な振動にさらされるため、出荷前の段階で不具合の芽を把握しておくことが重要になります。

この章では、振動試験の基本について、以下の3つの観点から解説します。

  • 振動試験の基礎知識
  • 振動試験の目的
  • 振動試験が重要視される理由

 
順番に見ていきましょう。


振動試験とは?振動試験の基礎知識

振動試験とは、製品や材料に人工的に振動を与えることで、その耐久性や信頼性を評価する試験のことです。例えば、自動車部品では走行時の振動、電子機器では輸送時の衝撃など、製品は様々な振動にさらされます。

  • 自動車のエンジンマウント:エンジン振動による疲労破壊
  • スマートフォン:落下時の基板損傷
  • 産業機器:設置環境での共振による緩み

 
これらの不具合は、製品出荷後に発見されると重大な問題につながる可能性があります。


振動試験の目的

振動試験の主な目的は、製品が想定される使用環境や輸送環境の中でも正常に機能し続けるかを確認することです。

加えて、設計段階で見落としやすい弱点を早期に発見し、出荷後の不具合やクレーム、事故のリスクを減らす役割もあります。製品の耐久性評価だけでなく、信頼性評価や品質保証の観点からも、振動試験は重要な位置づけにあります。


振動試験が重要視される理由

振動に起因する不具合は、使用中に徐々に進行するものもあれば、輸送や落下などをきっかけに一気に表面化するものもあります。こうした不具合を市場に出てから発見すると、修理費や回収費だけでなく、企業の信頼低下にもつながりかねません。そのため、製品が実際に置かれる環境を事前に再現し、設計・製造・部材選定の妥当性を検証できる振動試験は、品質確保の観点から重要視されています。

振動試験の主な種類
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振動試験には、正弦波振動試験、ランダム振動試験、衝撃試験など、様々な種類があります。それぞれの試験は異なる目的と方法を持ち、製品の用途や想定される環境に応じて適切な試験を選択することが重要です。


1)正弦波振動試験

正弦波振動試験は、製品に一定のリズムで振動を与える試験方法です。専用の振動装置を使って、上下や左右に規則正しく振動を与えていきます。音楽のメトロノームのような一定のリズムで製品を揺らすイメージです。
 
この試験により、製品のどの部分が振動に弱いのか、また、どの程度の振動で問題が発生するのかを明確に把握することができます。 技術的な観点からみると、正弦波振動試験では周波数掃引という手法を用います。これは、低周波数から高周波数まで段階的に振動数を変化させることで、製品の共振周波数を特定する方法です。共振周波数とは、製品が最も大きく振動する周波数を指します。この周波数を把握することで、製品設計の改善や対策を講じることができます。
 
試験では通常、5Hz から2000Hz程度の範囲で周波数を変化させ、加速度センサーを用いて製品の応答を測定します。 自動車のエンジン周りの部品や、工場で使用される機械など、一定の振動にさらされる製品の検査に広く採用されています。

  • 自動車のエンジンマウント評価(エンジン振動の共振点チェック)
  • 工作機械の据付評価(機械振動の影響確認)
  • 電子基板の実装評価(共振による部品剥離の検証)

 
正弦波振動試験については、以下の記事で詳しく解説します。併せてご覧ください。
正弦波振動試験とは?共振点探査の方法と実践活用法を解説


2)ランダム振動試験

ランダム振動試験は、不規則な振動を製品に与える試験方法です。複数の異なる振動を組み合わせてランダムな振動を作り出すことで、実際の使用環境により近い状態での製品の挙動を確認します。例えると、でこぼこ道を走る車の振動のようなイメージです。
 
この試験では、実際の使用環境に近い条件で製品の耐久性や信頼性を確認することができます。 この試験の特徴的な点は、パワースペクトル密度(PSD)という指標を用いることです。PSDは、各周波数における振動のエネルギー分布を表すもので、単位は通常G²/Hzで表されます。
 
試験では、実際の使用環境で測定したPSDプロファイルを再現することで、より現実的な振動環境での製品評価が可能となります。また、加速試験として、PSDレベルを上げて試験時間を短縮する手法も一般的に用いられています。 主に輸送時の振動評価や、航空機部品など、複雑な振動環境にさらされる製品の検査に使用されています。

  • 輸送時の振動耐久性評価(トラック輸送時の振動再現)
  • 航空機搭載機器の評価(エンジン振動・気流の影響確認)
  • 建設機械の車載機器評価(不整地走行時の振動再現)

 
ランダム波振動試験については、以下の記事で詳しく解説します。併せてご覧ください。
ランダム波振動試験とは?基礎知識・PSD/Grms・規格・実施手順まで完全ガイド


3)衝撃試験

衝撃試験は、急激な衝撃を製品に与える試験方法です。専用の装置を使って、ハンマーで叩いたときのような瞬間的な衝撃を与えます。
 
この試験により、突発的な衝撃に対する製品の耐久性や、内部構造の堅牢性を確認することができます。 試験の実施にあたっては、製品の特性や目的に応じて適切な試験方法を選択することが重要です。
 
例えば、フォースハンマを使用する場合、ハンマヘッドの重さと先端の緩衝材の硬さの組み合わせが重要です。この組み合わせによって、製品にどのような振動を与えられるかが決まってきます。 特にスマートフォンや家電製品など、日常的に落下や衝突のリスクがある製品の検査に多く採用されています。

  • スマートフォンの落下試験(落下時の基板・筐体破損評価)
  • 包装品の輸送評価(積み下ろし時の衝撃影響確認)
  • 産業機器の耐震試験(地震時の挙動確認)

 

衝撃試験については、以下の記事で詳しく解説します。併せてご覧ください。
衝撃試験とは?種類・規格から最適な選び方まで、基本をわかりやすく解説

振動試験の条件設定と規格の考え方

振動試験は、装置に載せて振動を与えれば成立するものではありません。実際の使用環境や輸送環境とかけ離れた条件では、評価結果も現場感覚とずれやすくなります。だからこそ、試験前には「どの環境を再現したいのか」を整理し、その前提に沿って条件と規格を決める必要があります。


試験条件はどう決めるか

試験条件を決める際は、まず製品がどこで、どのような振動を受けるのかを整理しましょう。車載部品なのか、輸送評価なのか、据付機器なのかによって、想定すべき振動の性質は変わります。

そのうえで、周波数範囲、加速度、試験時間、加振方向などを設定します。条件を現場の実態から逆算して決めると、試験の狙いがぶれにくくなります。


振動試験で参照される主な規格

振動試験では、対象製品や業界に応じて参照する規格が異なります。

電気・電子分野では、JIS C 60068-2-6 や JIS C 60068-2-64 が代表的です。自動車関連では、JIS D 1601 や ISO 16750 が使われることがあります。電子部品分野では、AEC-Q100 や AEC-Q200 が参照される場合もあります。

規格番号を並べるだけでなく、自社製品にどの基準が適切かを見極める視点が重要です。

 

振動試験でわかる代表的な不具合

振動試験では、外観上は問題がない製品でも、潜在的な弱点が表面化することがあります。代表例として挙げられるのが、コネクタの接触不良、はんだ接合部やリード線の疲労破壊、ねじ・ボルトの緩みや脱落です。

さらに、樹脂部品や板金部品が共振によって破損するケースもあります。こうした不具合を事前に把握できれば、設計、材料、固定方法、組立条件の見直しにつなげやすくなります。

不具合の種類 主な内容 見直しの方向性
接触不良 コネクタや接点部が振動で不安定になる 接点構造、固定方法、配線取り回しを見直す
疲労破壊 はんだ接合部やリード線に繰り返し負荷がかかる 接合条件、応力集中、部材選定を見直す
緩み・脱落 ねじやボルトが振動で徐々に緩む 締結方法、締付条件、緩み止め対策を見直す
共振による破損 樹脂部品や板金部品が特定周波数で大きく振れる 形状、剛性、支持方法、材料を見直す

 

まとめ|振動試験は製品に合った条件設定が重要!振動試験に関するご相談は、TMCシステムへ

振動試験は、製品や部品が受ける振動を再現し、耐久性や信頼性を評価するための試験です。総論として押さえておきたいのは、試験の種類だけでなく、どの環境を再現したいのかを明確にする視点です。使用環境や輸送環境が変われば、適切な条件や参照すべき規格も変わります。

また、振動試験は合否判定だけで終わるものではありません。接触不良、疲労破壊、緩み、共振による破損など、潜在的な弱点を早い段階で把握できる点に大きな価値があります。製品に合った条件設定で評価を行うことが、設計改善と品質安定化につながります。

振動試験に関するお困りごとがございましたら、まずはお気軽にご相談ください。TMCシステムでは、お客様の製品特性や試験要件に合わせた最適な試験システムをご提案いたします。

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