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工作機のマシンテンディングとは?自動化の課題とロボット導入事例

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近年、製造業において深刻化する人手不足を背景に、工作機へのワーク(加工物)の投入(ローディング)や取り出し(アンローディング)を自動化する「マシンテンディング」への注目が高まっています。

特に、旋盤やマシニングセンタなどの工作機を保有する現場では、作業者の負担軽減だけでなく、夜間無人稼働の実現による生産性の大幅な向上が期待できます。

この記事では、工作機に特化したマシンテンディングの重要性や導入時の課題、そしてシステムを成功に導く周辺機器の選び方について詳しく解説します。

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製造現場の課題を装置導入でどう解決し、どのような効果が得られたのか。成功事例を厳選し、1冊の事例集にまとめました。(全27ページ)

 

 

 

工作機におけるマシンテンディングの重要性

工作機の稼働率は、工場全体の生産性を左右する極めて重要な指標です。しかし、手作業でワークの投入・取り出しを行っていると、どうしても機械の停止時間が発生してしまいます。

その解決策となる「マシンテンディング(ワーク脱着)」の自動化は、製造現場が抱える「人手不足」「稼働時間」そして「品質」の課題を一挙に解決する強力な手段となります。

熟練工の減少や採用難による人手不足を解消

これまで工作機へのワーク脱着は、人が付きっきりで行うのが一般的でした。しかし、熟練工の減少や採用難により、これまで通りの生産体制を維持することが困難になりつつあります。

人に頼った運用から脱却しロボットへ置き換えることは、こうした深刻な人手不足を根本から解消するため、多くの現場で急務とされています。

(※マシンテンディングの基礎知識や、自動化による一般的なメリットについては、こちらの記事【別担当者の記事完成後にリンク化】をご覧ください。)

人的ミスの防止と夜間無人稼働の実現

手作業でのワーク投入は、長時間の反復的で疲労度の高い作業となるため、集中力の低下によるワークの位置ズレやクランプの締め付け不足など、人的ミスに起因する品質のバラつきが生じやすくなります。

これをロボットとワークストッカー(部品保管装置)の組み合わせに置き換えれば、常に一定の品質を保てるだけでなく、人が帰った後もストッカー内のワーク加工が終わるまで「24時間の無人稼働」が実現し、工作機本来の能力を最大限に引き出すことが可能になります。

※品質低下を防ぐための具体的な改善策については、製造業の不良品対策から学ぶ改善策!の記事でも解説しています。

 

工作機特有のマシンテンディング導入課題と注意点

工作機周辺はロボットにとって過酷な環境となることが多く、自動化システムの導入には特有の課題が存在します。

多品種少量生産における段取り替えの難しさ

現在の製造業において主流となっている多品種少量生産の現場では、加工するワークの形状やサイズに合わせて、ロボットハンド(エンドエフェクタ)や治具を頻繁に交換する「段取り替え」が発生します。

この段取り替えに時間がかかると、せっかく自動化しても全体の生産効率が落ちてしまいます。そのため、さまざまな形状のワークを掴める柔軟なロボットハンドの選定や、急な生産変更にも対応できるシステム構築が求められます。

切削油や切り粉(切粉)など過酷な環境への対応

工作機の機内は、切削油(クーラント)や高温の切り粉が舞うロボットにとって極めて過酷な環境です。そのため、本体やケーブルに高い防塵・防水性能を備えた「耐環境モデル」の選定や、防護カバーの装着が必須となります。

また、見落としがちなのが「ワークや治具に付着した切り粉の除去」です。これまで人が手作業で行っていたエアーブロー等の清掃工程を、ロボットや専用装置で代替させる仕組みが必要です。切り粉が残ったままでは、次工程での着座ミスや加工精度の低下を招き、結局は「人の手」を介在させることになってしまいます。

 

工作機に最適なマシンテンディング・ロボットと周辺機器の選び方

工作機に最適なマシンテンディング・ロボットと周辺機器の選び方 工作機へのワーク脱着を自動化し、安定した無人稼働を成功させるためには、単に高性能なロボット本体を導入するだけでは不十分です。

まず自社の環境(スペースや扱う重量)に合ったロボットを選定し、その上で最適な周辺機器を組み合わせる「システム全体での設計」が成功の鍵となります。

協働ロボットと産業用ロボットの使い分け

導入スペースに余裕があり、重量物の高速搬送が求められる場合は「産業用ロボット」が適していますが、近年は工作機周辺の限られたスペースに後付けでき、安全柵なしで人と並んで作業できる「協働ロボット」の需要が高まっています。

最新の現場では、AIとロボットが融合することで、より高度で自律的な作業が可能になりつつあります。

※ロボット技術の最新トレンドについては、「昨今注目が高まるフィジカルAIとは?」をご覧ください。

確実なワーク搬送を実現するPLC制御と治具システム

ロボットが正確にワークを工作機へセットするためには、ロボットの動きに合わせてワークを確実に固定する「治具」との連携が欠かせません。あらゆる方向からの加工に対してワークの浮き上がりを防ぐ高精度な治具システムや、複数台の工作機とロボット、そして安全扉の開閉タイミングなどを一括して連動させる「制御システム(PLC)」が不可欠です。

※設備の自動制御の要となるPLCについては、「PLC制御とは?」で詳しく解説しています。

自社の工作機環境に最適なロボットシステムや周辺機器の選定については、TMCシステムにお気軽にご相談ください。

マシンテンディングの自動化・導入事例

工作機のマシンテンディングを成功させるためには、現場の環境や既存の設備に合わせた柔軟なシステム構築が欠かせません。ここでは、「旧型加工機へのワーク自動供給/回収作業をロボット化」した事例をご紹介します。

導入の背景と課題

製造現場の単純作業において省人化が急務となる中、お客様の工場では「30年以上前に導入した古い加工機」が使用されていました。このような旧型機は外部通信機能を持たないため、最新のロボット機器との連携が難しく、自動化の大きな障壁となっていました。

TMCシステムのソリューション

この課題に対し、TMCシステムは以下のような解決策を実行しました。

    • 信号の連携と配線改造: 従来人が操作していた加工開始ボタンの配線を改造し、ロボットシステム側から操作できる仕組みを構築。
    • 状態信号の取得: 外部通信機能を持たない旧型加工機から、各工程の状態信号を入手し、ロボットと連動させるシステムを実現。
    • 多品種対応ハンドの実装: 多彩なワーク形状をカバーする汎用ハンドを選定し、段取り替えを最小限に抑えるシステム構成を実装。30年以上前の加工機を、最新の「自動生産ライン」の一部として機能させました。

 

導入効果

旧型加工機とロボットの連動が実現したことで、ワークの供給から回収までのマシンテンディングが自動化されました。

これにより、これまで機械につきっきりだった作業者が別の付加価値の高い工程に従事できるようになり、大幅な省人化を達成。さらに、生産システムと連携した稼働状況のリアルタイム監視も可能になりました。

このように、通信機能を持たない古い設備であっても、アイデアと技術力次第で最新のロボットによる自動化は十分に可能です。

※今回ご紹介した以外にも、FA(ファクトリーオートメーション)の事例をまとめた資料(全27ページ)をご用意しております。自動化や省人化をご検討中の方は、ぜひ以下のボタンよりダウンロードしてご活用ください。

TMCシステム 装置導入事例 資料ダウンロード

製造現場の課題を装置導入でどう解決し、どのような効果が得られたのか。成功事例を厳選し、1冊の事例集にまとめました。(全27ページ)

 

TMCシステムによる工作機自動化(FA)と設備開発の強み

工作機の自動化において、「メーカーの異なる古い機械を連携させたい」「自社専用の使いやすいシステムを構築したい」といった現場特有のお悩みは、ぜひTMCシステムにご相談ください。

当社では、既存の枠組みにとらわれないアプローチで、お客様の多様な生産現場の要望を実用的なカスタマイズソリューションとして形にします。

例えば、いきなりシステム全体を自動化することが難しい場合でも、当社であれば「まずはボトルネックとなっている工程から」といった段階的な導入が可能です。段階的な自動化を進めるための具体的なステップは、以下の図のようになります。

リバースエンジニアリングを活用した柔軟なシステム統合

古い工作機を最新のロボットや周辺機器と連動させる際、図面が残っていないケースも少なくありません。

TMCシステムでは、図面がない古い部品や、廃業したメーカーの部品、破損した部品などから実物をスケッチして図面化・復元する「リバースエンジニアリング」の技術を有しています。この技術により、既存の設備を最大限に生かしながら、一部の改修から最新の自動化システムへの統合まで柔軟に対応することが可能です。

機械・ハード・ソフトのワンストップ開発体制

当社の最大の強みは、機械設計、ハードウェア設計、そしてソフトウェア開発の技術力を結集し、ワンストップで対応できる点にあります。

試験機や測定機、実験観察機など幅広い設備開発の実績をもとに、ロボット周辺の設計からシステム全体のプログラム開発まで、外部の複数業者に依頼することなくスピーディーに開発を行います。

既存設備の一部改修や自動化から、オーダーメイドの設備開発まで、お客様の現場の課題やご要望に合わせた最適なご提案をいたします。
お気軽にお問合せください。

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