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ロボット導入のメリット・デメリット|進め方と成功のポイントを解説

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「人手不足によって生産計画を立てにくい」「品質を安定させたいが、作業者のスキルに依存している」といった課題を抱える製造現場では、ロボットによる自動化が選択肢の一つとなります。

一方、ロボットを導入すれば、どの工程でも省人化や生産性向上を実現できるわけではありません。対象工程やワーク、既存設備、前後工程などの条件を整理したうえで、導入効果と必要な投資を検討することが重要です。

この記事では、ロボット導入を検討しやすい工程の特徴から、メリット・デメリット、一般的な導入手順、計画時に押さえておきたいポイントまで解説します。

 

ロボット導入を検討しやすい工程・条件
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ロボット導入を検討する際は、最初から機種を選ぶのではなく、「どの工程を、何のために自動化するのか」を整理することが重要です。特に次のような工程では、ロボットによる自動化を検討しやすくなります。

 

定型・反復作業が多い工程

ワークの投入・取り出し、搬送、組立、溶接など、決められた動作を繰り返す工程は、ロボットによる自動化を検討しやすい領域です。作業内容やワークの条件が安定しているほど動作を標準化しやすく、人による作業時間や処理量のばらつきを抑えやすくなります。

ただし、多品種少量生産などで段取り替えが頻繁に発生する場合は、品種変更への対応方法も含めて検討する必要があります。

 

重量物や危険を伴う作業

重量物の搬送や溶接、塗装など、作業者の身体的な負担や安全上のリスクが大きい工程も自動化の候補になります。こうした作業をロボットに置き換えることで、作業者が危険・過酷な作業に直接従事する機会を減らし、労働環境の改善につなげられます。

 

作業者による品質差が生じやすい工程

作業速度や位置決め、処理条件などが作業者の経験や習熟度に左右される工程では、製品品質にばらつきが生じる場合があります。ロボットを活用して一定の条件で作業を繰り返せるようにすることで、作業の標準化や品質の安定化を図ることができます。

 

長時間稼働や省人化を検討している工程

材料供給や排出、前後設備との連携などの条件を整えることで、ロボットを用いた長時間の連続稼働を検討できる場合があります。夜間運転や少人数での生産体制を目指す場合は、ロボット単体だけでなく、ワーク供給、設備間通信、異常時の停止・復旧方法まで含めてシステム全体を設計することが重要です。

 

工程・条件 ロボット導入を検討しやすい理由 主な確認事項
定型・反復作業 動作を標準化しやすく、処理量のばらつきを抑えやすい 品種変更や段取り替えの頻度
重量物・危険作業 作業者の身体的負担や危険作業への従事を減らしやすい 安全対策、周辺設備との干渉
品質差が生じやすい工程 一定条件で作業を繰り返し、標準化を図りやすい 必要精度、ワークのばらつき
長時間稼働・省人化 少人数運転や長時間の連続稼働を検討しやすい 供給・排出、設備連携、異常時対応

 

ロボット導入で得られる4つのメリット
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ロボット導入による効果は、対象工程やシステム構成によって異なります。ここでは、代表的な4つのメリットを紹介します。

 

生産性と品質の安定化

ロボットは、設定した条件に基づいて一定の動作を繰り返すことができます。人による作業では、疲労や習熟度によって作業時間や品質に差が生じる場合がありますが、ロボットを活用することで作業を標準化し、処理量や品質の安定化を図れます。

前後工程を含めて適切に自動化できれば、タクトタイムの短縮や設備稼働率の向上につながる可能性もあります。

 

人員配置の最適化と採用負担の軽減

定型作業をロボットに任せることで、それまで工程を担当していた人員を、判断や調整が必要な業務などへ配置し直すことができます。人手不足が続く製造現場では、必要な人員を採用し続けることが難しいケースもあります。自動化によって必要工数を削減できれば、採用や教育にかかる負担を抑えることにもつながります。

導入効果を評価する際は、人件費だけでなく、稼働率や不良・手直しの削減なども含めて費用対効果を確認することが重要です。

 

危険・過酷な作業の自動化

溶接、塗装、重量物の搬送など、身体的な負荷や危険を伴う工程をロボット化することで、作業者の負担を軽減できます。

一方で、ロボットそのものにも接触や挟まれなどのリスクがあります。導入時には、使用するロボットや工程に応じた安全対策を検討する必要があります。

 

稼働データを生産改善に活用できる

ロボットやPLC、周辺設備、上位システムなどを連携させることで、稼働時間、停止時間、エラーなどのデータを取得できるシステムを構築できます。取得したデータを分析すれば、設備停止の原因やラインのボトルネックを把握し、生産性改善や保全計画に活用できます。

ただし、どのデータを取得・蓄積できるかは機器やシステム構成によって異なるため、導入前に必要な情報を整理しておくことが重要です。

 

ロボット導入で考えておきたいデメリット・課題

ロボット導入には多くのメリットがある一方、コストや運用体制、対応できる作業の範囲など、事前に検討しておきたい課題もあります。ここでは、導入前に押さえておきたい主なデメリット・課題を紹介します。

 

イレギュラーな状況には対応しにくい

ロボットは、あらかじめ設定した条件やルールに基づく動作を得意としています。一方、ワークの位置や形状、生産品種などが想定外に変化すると、設定や制御の変更が必要になることがあります。

特に多品種少量生産や突発的な品種変更では対応が複雑になることもあるため、どこまでをロボットに任せるのかを事前に決めておくことが重要です。

 

人の感覚的な判断は再現しにくい

人は、対象物を見たり触ったりして、「柔らかい」「少し強めに押す」といった感覚的な判断ができます。一方、ロボットでは、「柔らかい」と判断するための情報や、「強く押す」とは何Nなのかなど、判断条件を具体的に定義する必要があります。

そのため、感覚的な判断を伴う作業ほど自動化の難易度が高くなります。「何をロボットに任せ、何を人が判断するのか」を明確にすることが重要です。

今後、フィジカルAIなどの発展によって柔軟に対応できる範囲が広がることも期待されています。ただし現時点では、人の感覚的な判断や想定外の状況への対応まで自動化しようとすると、システムの難易度が高くなります。

 

ロボット本体以外にも導入コストがかかる

ロボット導入では、本体価格だけでなく、ロボットハンドなどの周辺機器、制御機器、安全対策、設計、プログラム開発、設置工事などの費用が発生します。そのため、本体価格だけを基準に予算を立てると、実際の見積もりとの差が大きくなることがあります。

費用は自動化する工程やワーク、既存設備との連携範囲などによって大きく変わります。初期費用だけでなく、保守費用や期待できる削減効果も含めて投資対効果を確認することが重要です。

関連記事:生産ライン自動化の課題を解決!費用・ROIと失敗しない進め方

 

運用・保守に必要な知識や体制を整える必要がある

ロボットを安定して稼働させるには、日常的な操作だけでなく、異常発生時の対応や定期点検などを行う体制が必要です。すべてを社内で対応する必要はありませんが、どこまでを自社で対応し、どこからをロボットSIerやメーカーへ依頼するのかを事前に決めておくと、トラブル時に対応しやすくなります。操作担当者への教育やマニュアルの整備も重要です。

 

設置スペースと安全対策が必要になる

ロボットシステムには、ロボット本体だけでなく、制御装置、ハンド、ワーク供給装置などの周辺機器が必要になります。また、使用するロボットや工程によっては、安全柵やセンサーなどの安全対策も必要です。

既存ラインへ後付けする場合は、設置できるスペースだけでなく、作業者の動線やメンテナンススペース、前後工程との位置関係まで確認する必要があります。

 

停止時の影響と復旧方法を考えておく必要がある

ロボットや周辺設備には、故障やシステムトラブルによって停止する可能性があります。自動化した工程がライン全体のボトルネックになっている場合、設備停止による影響が大きくなることもあります。

導入時には、異常時の復旧方法、保守・サポート体制、必要に応じた代替作業の方法などをあらかじめ整理しておくことが重要です。

 

ロボット導入の一般的な6つのステップ
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ロボット導入は、本体を選定して設置するだけではありません。対象工程の整理からシステム構築、試運転、運用までを段階的に進める必要があります。

 

手順1:導入目的と対象工程を明確にする

最初に「何を改善するためにロボットを導入するのか」を明確にします。例えば、生産量、作業工数、不良率、設備稼働率など、現在の状況を把握したうえで改善目標を設定します。そのうえで、どの工程を自動化すれば効果が得られやすいかを検討します。

 

手順2:現場条件と要求事項を整理する

対象工程が決まったら、ワークの種類・形状・重量、必要な処理能力、設置スペース、既存設備、前後工程などを確認します。この段階で現場条件を整理しておくことで、必要なロボットや周辺設備、システム構成を検討しやすくなります。

 

手順3:ロボットSIerと構想・仕様を検討する

ロボットシステムは、本体だけでなく、ハンドや周辺設備、制御、安全対策などを組み合わせて構築します。自社だけでシステム構築が難しい場合は、ロボットSIerと相談しながら構想や仕様を具体化します。

ロボットSIerを選定する際は、価格だけでなく、対象工程での実績、提案内容、既存設備への対応力、導入後のサポートなども確認することが重要です。

関連記事:ロボットSIerの基礎知識からパートナーの選定方法まで解説

 

手順4:設計・製作・テストを行う

仕様が固まったら、ロボットシステムの詳細設計と製作を進めます。機械設計、電気設計、制御プログラムなどを組み合わせ、目標とする処理能力や精度を満たせるよう調整します。製作後は、工場へ搬入する前に動作や安全性、処理能力などを確認します。

 

手順5:現場へ設置し試運転を行う

完成したロボットシステムを現場へ設置し、実際の生産条件で試運転を行います。ロボット単体の動作だけでなく、前後設備との連携、ワークの供給・排出、異常時の停止なども確認します。本稼働前には、操作担当者への教育や運用ルールの確認も行います。

 

手順6:本稼働後も効果を確認・改善する

本稼働を開始した後も、当初設定した目標を達成できているかを確認します。稼働率や作業工数、不良率、停止時間などを確認し、必要に応じて動作や運用方法を改善します。また、安定稼働を維持するため、定期的な点検やメンテナンス、トラブル時のサポート体制を整えておくことも重要です。

 

ロボット導入を成功させるための重要ポイント
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ロボット導入では、本体の性能だけでなく、導入前の計画やシステム全体の設計が成果を左右します。ここでは、計画段階で特に押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

 

導入目的と評価指標を明確にする

「ロボットを導入すること」そのものを目的にせず、何を改善したいのかを明確にします。生産量、作業工数、不良率、稼働率など、導入後に効果を確認できる指標を設定しておくことで、必要な仕様や投資額を判断しやすくなります。

 

計画段階から現場担当者を巻き込む

ロボットを実際に運用する現場では、図面や仕様書だけでは分からない作業上の条件が存在する場合があります。計画の初期段階から現場担当者の意見を確認し、作業手順やワークの違い、段取り替え、異常時の対応などをシステム設計に反映することが重要です。

 

提案力と対応範囲でパートナーを選ぶ

ロボット導入では、機械、電気、制御、安全など複数の要素を組み合わせる必要があります。そのため、見積金額だけでなく、自社の工程を理解して構想を提案できるか、既存設備との連携に対応できるか、導入後のサポートを受けられるかといった観点からパートナーを選定することが重要です。

関連記事:自動化設備メーカーの選び方|自社に合う依頼先を見極めるポイント

 

ロボット単体ではなく前後工程まで確認する

対象工程だけを自動化しても、前後工程の処理能力が追いつかなければ、ライン全体の生産性は向上しません。ワークの供給・排出方法、既存設備との信号連携、作業者との役割分担、設備停止時の対応などを含め、ライン全体を見てシステムを検討することが重要です。

 

まとめ

ロボット導入は、人手不足への対応、生産性や品質の安定化、作業者の負担軽減などに役立つ自動化手段です。

一方、十分な効果を得るためには、「どの工程を、何のために自動化するのか」を明確にし、現場条件や前後工程、必要な投資、運用・保守まで含めて検討する必要があります。特に既存ラインへロボットを導入する場合は、ロボット本体の性能だけでなく、既存設備との連携や周辺装置を含めたシステム全体の設計が重要です。

TMCシステムでは、各種メーカーの要望に合わせた生産設備や検査装置などの装置開発に対応し、企画段階から設計・製作・据付まで一貫して支援しています。ロボット導入を含む生産ラインの自動化をご検討の際は、現場の課題や要件に応じてご相談ください。

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