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自動搬送装置の種類を徹底比較|特徴・用途・選び方をわかりやすく解説

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自動搬送装置には、コンベア、AGV、AMR、天井搬送システム、垂直搬送機など、複数の種類があります。それぞれ得意な搬送ルートや搬送量、設置条件が異なるため、新しい方式や高機能な装置を選べばよいとは限りません。

種類ごとの違いを整理せずに導入すると、レイアウト変更に対応できない、必要な搬送量を処理できない、既存設備とうまく連携できないといったミスマッチが起こる可能性があります。まずは「何を、どこからどこまで、どの程度運びたいのか」を明確にすることが重要です。

本記事では、自動搬送装置の主な種類と向いている用途を比較し、自社に合う方式の選び方や導入前の注意点を解説します。

 

自動搬送装置の主な種類

自動搬送装置は、搬送方法や設置場所によって大きく5つに分けられます。固定された経路で連続搬送する装置もあれば、床面を走行する搬送車や、天井・上下階の空間を活用する仕組みもあります。

主な種類と用途、強みを整理すると、以下のとおりです。

種類 主な用途 強み
コンベア 生産ラインや仕分け工程での連続搬送 一定方向へ多くの搬送物を安定して運びやすい
AGV(無人搬送車) 決められたルートでの部品供給や工程間搬送 定期的・反復的な搬送を自動化しやすい
AMR(自律走行搬送ロボット) 搬送先やルートが変わりやすい現場での搬送 周囲の状況に応じて経路を選び、柔軟に走行できる
天井搬送システム 床面の作業スペースを確保したい現場での工程間搬送 天井空間を活用し、人や設備の動線と分けやすい
垂直搬送機 複数階にまたがる材料・パレット・台車の搬送 上下方向の搬送を効率化できる

同じ自動搬送装置でも、得意な搬送条件は異なります。ここからは、それぞれの仕組み、向いている搬送、強み、注意点を詳しく見ていきましょう。

 

コンベア

コンベアは、ベルトやローラー、チェーンなどを使い、決められた経路に沿って搬送物を連続的に運ぶ定置型の装置です。部品や製品を一定方向へ繰り返し運ぶ生産ライン、組立工程、仕分け工程などに向いています。

一度に多くの搬送物を安定して運びやすく、前後の装置とも接続しやすい点が強みです。一方、搬送ルートが設備として固定されるため、ライン変更やレイアウト変更が頻繁に発生する現場には適さない場合があります。

 

AGV(無人搬送車)

AGVは、床面に設置した磁気テープや磁気棒、反射板などの誘導体、または事前に設定したルートに沿って走行する搬送車です。部品供給、工程間搬送、完成品の移動など、運ぶ場所と経路がある程度決まっている現場で活用されています。

コンベアのように搬送ルート全体へ装置を設置する必要がなく、人が使う通路を活用しながら搬送を自動化できる点が特徴です。複数の搬送先を巡回する定期搬送にも向いています。

ただし、誘導方式によっては、ルートを変更する際に磁気テープの貼り替えや設定変更が必要です。障害物を自律的に回避して別の経路を選ぶ用途では、AMRより柔軟性が低い場合があります。

AGVの仕組みや導入時の考え方は、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:AGV(無人搬送車)とは?工場内物流の自動化に向けた基礎知識と導入のポイント

 

AMR(自律走行搬送ロボット)

AMRは、カメラやLiDARなどのセンサーと地図情報を使い、周囲の状況を確認しながら自律走行する搬送ロボットです。通路上に人や障害物がある場合は、安全を確認しながら停止・迂回できるため、搬送ルートの変更が多い現場や、人と搬送機器が同じ空間で作業する現場に適しています。

導入時は、AMR本体の性能だけでなく、通路幅、床面の状態、人やフォークリフトとの動線、呼び出し方法、充電運用まで整理する必要があります。ルートを柔軟に設定できる一方、周辺環境や運用ルールが整っていなければ、想定した搬送能力を発揮しにくいこともあります。
 

AMRの基本や種類を詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
 

関連記事:
製造業のAMR(自律走行搬送ロボット)|基礎知識と導入成功事例

AMRの種類とは?5タイプの特徴と選び方、AGVとの違いを解説

 

天井搬送システム

天井搬送システムは、天井付近に設置したレールや走行装置を使って、部品や材料を搬送する仕組みです。床面の通路や作業スペースを圧迫しにくいため、床上のレイアウトを広く確保したい現場に向いています。

半導体や電子部品の製造工程のように、工程間で搬送物を一定の条件で運ぶ現場でも利用されます。ただし、建屋の高さや構造、搬送物の重量によって設置できる構成は変わります。導入工事の範囲も大きくなりやすいため、将来のレイアウト変更まで見据えた検討が必要です。

 

垂直搬送機

垂直搬送機は、材料やパレット、台車などを上下方向へ運ぶことに特化した装置です。複数階に生産工程や保管エリアが分かれている工場・倉庫で、階をまたぐ搬送を自動化したい場合に使われます。

床面を移動するAGVやAMR、各階のコンベアと組み合わせれば、水平搬送と垂直搬送をつなぐことも可能です。搬送物の重量、寸法、昇降距離、必要な処理回数に応じて仕様を決めます。

一方、垂直搬送機だけでは、各階の目的地まで水平方向に運べません。装置の前後で人が受け渡すのか、コンベアや搬送車と連携するのか、まで含めて考えることが重要です。

 

種類ごとの特徴

自動搬送装置を比較する際は、装置の機能だけでなく、自社の搬送条件にどの程度合うかを見ることが重要です。ここでは、連続大量搬送、ルート変更への対応、床面の省スペース化、上下階搬送という4つの観点から、各方式の適性を整理します。

5種類の違いを比較すると、以下のようになります。

種類 連続大量搬送 ルート変更への対応 床面の省スペース化 上下階搬送
コンベア
AGV
AMR
天井搬送システム
垂直搬送機

実際の適性は、搬送物の重量やサイズ、必要な搬送量、建屋の構造、既存設備との接続方法によって変わります。

一定の経路で大量に運ぶ場合はコンベア、搬送ルートを変更する可能性が高い現場ではAMRが候補になります。床面の作業スペースを確保したい場合は天井搬送システム、階をまたぐ搬送には垂直搬送機がおすすめです。

また、1つの方式だけですべての搬送を担う必要はありません。垂直搬送機とコンベア、AGVと既存ラインなど、工程ごとに異なる方式を組み合わせることで、工場全体の搬送を効率化できる場合があります。

 

自社に合う自動搬送装置の選び方

自動搬送装置は、機能の多さや新しさだけで選ぶものではありません。搬送物、搬送ルート、必要な処理能力、既存設備とのつながりを整理したうえで、自社の工程に無理なく組み込める方式を選ぶ必要があります。

選定時に確認したい主な判断軸は、次の4つです。

  • 搬送物の種類・重量・サイズ
  • 搬送ルートとレイアウト
  • 搬送量と必要な処理能力
  • 既存設備やシステムとの連携

 

搬送物の種類・重量・サイズで選ぶ

最初に確認したいのは、何を運ぶのかです。小型部品、段ボール、パレット、液体容器、長尺物では、適した搬送方法や受け渡し機構が異なります。

形状や寸法が一定の製品を連続して運ぶ場合は、コンベアで安定した搬送を組みやすくなります。一方、パレットや台車を複数の工程へ運ぶなら、AGVやAMRが候補です。重量物では装置の可搬重量だけでなく、停止時の安定性や床の耐荷重も確認しなければなりません。

破損しやすい製品や姿勢を崩せない部品では、速度だけを優先すると搬送中の荷崩れや衝撃につながります。搬送物をどの向きで受け取り、どの状態で渡すのかまで決めておくことが大切です。

 

搬送ルートとレイアウトで選ぶ

搬送経路が固定されている現場と、頻繁にレイアウトが変わる現場では、選ぶべき方式が変わります。生産ラインに沿って同じ経路を繰り返し運ぶなら、コンベアやAGVを検討しやすいでしょう。

反対に、設備の入れ替えや搬送先の変更が多い場合は、ルートを柔軟に設定できるAMRが選択肢になります。ただし、柔軟に走行できる装置でも、狭い通路や見通しの悪い交差点、人・フォークリフトとの共用エリアが多いと、停止や迂回が増えることもあります。

床面のスペースが不足している現場では、天井空間を使えるかも確認したいところです。上下階をまたぐ場合は、垂直搬送機と各階の水平搬送をどのようにつなぐかまで含めて検討します。

 

搬送量と必要な処理能力で選ぶ

必要な処理能力は、平均搬送量だけでなく、繁忙時間帯のピークを基準に考えます。一定間隔で大量に流し続ける工程にはコンベアが適していますが、必要なときだけ搬送する間欠運用では、AGVやAMRの方が設備を有効に使える場合があります。

選定前には、以下の数値を整理しておくと比較しやすくなります。

  • 1時間あたりの搬送回数
  • 1回に運ぶ数量や重量
  • 搬送に許容できる時間
  • 搬送量が最も多くなる時間帯
  • 充電や荷下ろしで停止する時間

台数を増やせば処理能力が上がるとは限りません。通路の混雑や待機場所の不足によって、搬送車同士が滞留することもあるため、工程全体の流れを見ながら必要台数を算出する必要があります。

 

既存設備やシステムとの連携で選ぶ

自動搬送装置は、前後の設備と連携して初めて効果を発揮します。搬送車が目的地まで到着しても、受け渡し先の装置が準備できていなければ、待ち時間や滞留が発生します。

導入前に確認したいのは、次のような連携条件です。

確認項目 主な確認内容
受け渡し方法 コンベア、棚、ロボット、人による受け渡しのどれか
制御連携 PLCや各設備と運転・停止信号をやり取りできるか
上位システム 生産管理や倉庫管理システムから搬送指示を出すか
異常時の処理 搬送停止時に前後工程をどう制御するか

装置単体の性能だけでなく、既存ラインへの接続性や運用方法まで確認することが重要です。現在の工程だけを部分的に自動化すると、別の場所に待ち時間や手作業が移る可能性もあります。
 

工場内の搬送を広い視点で整理したい場合は、マテハンの考え方を参考にしてみてください。

関連記事:マテハンとは?基礎知識から機器の種類、導入メリットまで徹底解説

 

導入前に押さえたい注意点

自動搬送装置の導入前には、費用、安全性、保守体制を確認する必要があります。装置を設置できても、運用コストが想定を超えたり、停止時の対応が決まっていなかったりすると、安定した搬送を続けにくいためです。

確認したいポイントは、次の3つです。

  • 初期費用と運用コスト
  • 設置スペースと安全対策
  • 保守体制とトラブル対応

 

初期費用と運用コストを確認する

導入費用は、装置本体だけでなく、工事、周辺機器、システム連携まで含めて見積もります。導入後の保守費、消耗品費、設定変更費、バッテリー交換費なども確認が必要です。

費用対効果は、人員削減だけで判断しません。搬送時間や待ち時間、作業者の移動負担、設備停止時間がどの程度減るかまで整理すると、導入効果を判断しやすくなります。

 

設置スペースと安全対策を確認する

装置本体の設置場所に加え、通路、旋回、待機、充電、保守に必要なスペースを確認します。人やフォークリフトと動線が交差する現場では、安全を確保できても頻繁な停止が発生し、想定した搬送量に届かない場合があります。既存設備や柱、配管との干渉も含め、実際の現場で確認することが重要です。

 

保守体制とトラブル対応を確認する

装置が停止した際の連絡先、復旧手順、代替運用を導入前に決めておきます。1台の停止が複数工程へ影響する構成では、手作業への切り替えや迂回ルートも必要です。

確認項目 主な確認内容
日常点検 作業者が確認する箇所、点検頻度、異常を判断する基準
定期保守 点検周期、保守範囲、交換部品、作業に伴う停止時間
異常時の対応体制 エラーの確認方法、現場で対応できる範囲、担当者やメーカーへの連絡方法
予備品・部品供給 バッテリーやセンサーなどの在庫、交換時期、調達にかかる期間
代替運用 手作業への切り替え、迂回ルート、復旧までの搬送方法

装置の停止を完全に防ぐことは難しいため、異常が起きた後にどこまで現場で対応できるか、復旧まで搬送をどう継続するかを決めておくことが重要です。停止履歴も蓄積し、点検内容や保守計画の見直しに活用しましょう。

 

まとめ|自動搬送装置の違いを理解し、自社に合う方式を選ぼう

自動搬送装置には、コンベア、AGV、AMR、天井搬送システム、垂直搬送機などがあり、それぞれ得意な搬送条件が異なります。搬送物の種類や重量、ルート、搬送量、レイアウト、既存設備との連携を整理したうえで、自社の工程に合う方式を選ぶことが重要です。

どの方式が適しているか判断しにくい場合は、装置単体ではなく、前後工程や制御、現場の運用まで含めて検討する必要があります。

TMCシステムでは、工場内の搬送課題を確認し、既存システムとの連携も考慮した自動化を支援しています。自動搬送装置の導入や見直しをご検討の際は、ぜひ無料相談をご活用ください。

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