【比較表あり】キーエンスIV4とIV3の違いを解説!機能の差や乗り換えを検討すべき現場の条件とは?

「画像処理センサを導入したいけれど、IV4と従来のIV3では何が違うの?」「すでにIV3を使っているが、IV4に乗り換えるメリットはある?」 外観検査の自動化を進める中で、このような疑問を抱える設備担当者や技術者は少なくありません。
キーエンスのAI搭載画像判別センサは、設定の簡単さで多くの現場から支持されていますが、「IV4シリーズ」ではAIの性能や処理速度が劇的に進化しています。
本記事では、IV4とIV3の具体的なスペックの違いから、新たに搭載されたAIツールの詳細、設定の手間の差、そして「どのような現場ならIV4へ乗り換えるべきか」といった判断基準までを分かりやすく解説します。
※この記事は、TMCシステムが製品の特徴や機能を独自に解説しています。
目次
IV4とIV3の違いをスペック比較表とともに解説
まずは、IV4とIV3の全体的な違いを把握するために、重要な機能やスペックを比較してみましょう。
比較表で確認:IV4とIV3のスペック比較
両シリーズの主な違いを以下の比較表にまとめました。
| 項目 | IV4シリーズ | IV3シリーズ |
|---|---|---|
| 基本コンセプト | 学習済みAIパッケージ搭載による圧倒的な簡単設定 | OK/NG画像の登録によるAI自動設定 |
| 処理速度 | 最速250個/秒(従来比80倍のアクセラレータ) | カタログ上に記載無し |
| 画像登録の手間 | 最低1枚の画像登録で設定完了 | OK品とNG品の複数枚の画像登録が必要 |
| AI判定ツール | 学習サーチ、学習カウント、学習OCRなどが追加 | 学習ツールなどが中心 |
| 照明の明るさ | 従来比最大30倍の照度(専用照明ユニット時) | 従来比最大24倍(専用照明ユニット時) |
| 位置ズレへの対応 | 「学習サーチ」でAIが対象物に自動追従 | 「位置補正」ツールでの対応 |
関連記事:キーエンス「IV4」はどんな製品?現場の課題を即解決する革新技術や活用事例を紹介
重要なスペックの違いを解説
比較表の中でも、現場の運用に直結する最大の違いは、「AI判定ツールの拡充」と「画像登録にかかる手間の削減」です。これまでのIV3シリーズは「絵作りも検出もAI」というコンセプトで、主に「学習ツール」を用いてOK品とNG品の画像を各々登録し、AIに違いを学習させることで有無判別を自動設定していました。
IV3はOK品とNG品の画像を各々登録しAIに学習させる必要がありました。対するIV4は「学習済みのAI」を搭載。最低1枚の基準画像を登録するだけでAIが特徴を自動抽出し設定が完了するため、品種切り替えの手間も激減します。
さらにIV4は、ズレに自動追従する「学習サーチ」、個数を数える「学習カウント」、文字を読み取る「学習OCR」などの新ツールを追加。従来なら複数台のセンサが必要な複雑な検査も、IV4なら直感的な操作で簡単に解決できます。
主な違い1. AIツールの数と種類が違う!IV3の2種からIV4の6種へ

IV4シリーズとIV3シリーズの大きな違いとして、「AI判定ツールの拡充」が挙げられます。これまで複数台のセンサを組み合わせたり、目視に頼ったりしていた複雑な検査も、IV4の新ツールを使えば1台で簡単に解決できるようになりました。進化したAIツールについて、以下の観点で解説します。
- 学習サーチ
- 学習カウント
- 学習OCR
まずは、IV3が持つAIツールをみていきましょう。そのあとに、IV4で進化したツールについて、順番に解説します。
関連記事:AI外観検査システムとは?基礎知識から種類、従来の画像検査との違いや導入判断まで徹底解説
IV3が持つAIツールの概要
これまでのIV3シリーズは、「絵作りも検出もAI」というコンセプトで、主に「学習ツール」を駆使して有無判別を行っていました。これは、OK品とNG品の画像をそれぞれ複数枚登録することで、AIが最も異なる特徴を自動で抽出し、外乱光や個体差の影響を受けずに安定した検出を行う仕組みです。
IV4で進化したAIツール1:位置ズレに強い「学習サーチ」
IV4で新たに搭載された「学習サーチ」は、登録した対象物の色や形状などの特徴をAIが学習し、サーチ範囲の中から探し出す機能です。
搬送されるワークが左右にズレたり、カメラとの距離が変わって見え方の大きさが変化したりしても、AIが対象物を捉えて自動で追従します。これにより、これまで必須だった大掛かりなワークの固定や、高精度な位置決め機構を用意する手間とコストを大幅に省くことができます。
IV4で進化したAIツール2:個数もわかる「学習カウント」
「学習カウント」機能は、色や形状などの特徴を学習し、対象物の数を自動で数えるツールです。
最大999個までのカウントに対応しており、設定時は検出したい対象物を1つ画面上で囲むだけでAIが自動検出してくれます。例えば、箱詰めされたお菓子の小袋などの入数を瞬時にカウントし、抜けがないかを高速で判定するといった作業に最適です。
IV4で進化したAIツール3:文字を認識する「学習OCR」
「学習OCR」は、文字や数字、日付の違いを判別する強力なツールです。
賞味期限などの読み取りたい文字を画面上で囲むだけで、センサ内部の学習済みデータと照合し、AIが日付やロット番号を自動認識します。光の反射で読みにくいフィルム包装や、曲面への印字、さらには金属への薄い刻印であっても安定して読み取れるのが大きな特徴です。
主な違い2. 検出速度がアップ!高速AIアクセラレータで何が変わったか解説

IV4シリーズのカタログを読むと、具体的な検出速度が公表されており、IV4シリーズで大きく飛躍したポイントの1つです。「検出速度」は、ラインの生産能力(タクトタイム)に直結します。どのくらいの検出速度で検査が判定が可能なのか、詳しく見ていきましょう。
IV4のAIアクセラレータが実現した250検出/秒
最新のIV4シリーズは、従来比80倍の処理能力を持つ「高速AIアクセラレータ」を新たに搭載しています。これにより、クラス最速レベルとなる「最速250個/秒」という圧倒的なスピードでのAI検出を実現しました。
これまで直列で行っていた「撮像」と「画像処理」を並列化(先行撮像処理)することで、最速4msという極めて短い間隔での連続撮像・判定が可能になっています。
出典:IV4カタログ
速度差が実際に影響する現場条件
処理スピードの改善は、具体的に以下のような現場の課題解決に直結します。
- 微小部品の高速ライン: 次々と流れてくる電子部品(チップ抵抗器や小型電池など)の表裏判別や外観検査。
- 落下するワークの検査: コンベアから落下する部品を空中で瞬時に検出・カウントする用途。
- ラインを止められない環境: IV4専用の「通過モード」を使えば、コンベア上で複数同時に流れるワークの数を、わざわざ整列させたり一時停止させたりすることなく、正確にインラインカウント可能です。
IV4の処理速度に余裕があるということは、現在の課題解決だけでなく、将来的な生産ラインのスピードアップ(増産)にもそのまま対応できるという大きなメリットに繋がります。
主な違い3. 設定・立ち上げのしやすさが違う!簡単操作で現場の手間を解消

現場の担当者にとって、新しいセンサを導入する際に最も気になるのが「設定や立ち上げにかかる工数」です。IV4シリーズは、従来のIV3シリーズからさらに設定の手間を省き、より直感的な操作を実現しています。
IV3とIV4の設定作業の負担の違い
IV3シリーズも「絵作りも検出もAIが自動で行う」というコンセプトで、誰でも使える簡単設定が魅力でした。しかし、AIに判定基準を学習させるプロセスにおいて、IV3とIV4では必要なデータ量と手間に大きな違いがあります。IV4はより少ない手順で、スピーディーに最適な設定を導き出すことが可能になっています。
照明とピント調整をAIが完全自動化して最適化
画像処理センサの導入で最もつまずきやすいのが、「照明の明るさ」と「ピント(フォーカス)」の調整です。 キーエンスのIVシリーズでは、この難しい「絵作り」をAIが完全自動化しています。設定を開始すると、1000通り以上の撮像条件の中から、AIが点灯方法と発光強度を自動制御して画像を取得します。
さらに取得した画像から「発色がきれい」「形状がハッキリしている」「撮像時間が短い」という3要素でスコアリングを行い、推奨される画像を抽出。 ユーザーは提示された推奨画像の中から目的に合ったものを選ぶだけで、安定度の高い撮像設定が完了します。
加えてIV4では、超高輝度照明を搭載しており、ハレーションや黒つぶれを抑えたクリアな画像を簡単に取得できます。
ワークの傾きや位置ズレをAIが自動補正
製造ラインでは、搬送時のワークの傾きや位置ズレが誤検知の主な原因となります。 IV3シリーズでは、こうしたズレに対して「位置補正」ツールを個別に設定して対応していました。
一方、IV4シリーズでは新搭載の「学習サーチ」機能により、対象物が左右にズレたり、カメラとの距離が変わって見え方の大きさが変化したりしても、AIが対象物の特徴を深く把握して自動で追従します。 これにより、これまで必須だった大掛かりなワークの固定や、高精度な位置決め機構を用意する手間が不要になりました。
IV3(OK/NG登録)とIV4(1枚登録)の設定手間の違い
設定プロセスにおける最大の違いは、「画像の登録枚数」です。 IV3シリーズでは、有無判別に特化したAIに特徴を学習させるため、必ず「OK品」と「NG品」の画像をそれぞれ複数枚登録する必要がありました。 対して最新のIV4シリーズは、あらかじめ「学習済みのAI」がパッケージ化されて本体に搭載されています。
そのため、大量の画像データを用意する必要がなく、最低1枚の基準画像(OK画像など)を登録するだけでAIが対象物の特徴を自動で見つけ出し、設定が完了します。この仕様によって、品種切り替えや新しい検査項目を追加する際の立ち上げ時間が劇的に短縮されるようになりました。
関連記事:キーエンス「IV4」のマニュアル・取扱説明書のダウンロード方法と種類をわかりやすく解説
IV3ユーザーがIV4への乗り換えを検討すべき3つの条件

現在IV3シリーズを使用している現場において、最新のIV4シリーズへ乗り換えることで大きなメリットを得られるケースがあります。乗り換えを検討すべき条件は、次の3点です。
◻︎製造ラインの高速化を計画している
◻︎ワークの位置ズレや高度な検査に対応したい
◻︎多品種生産で、品種切り替えや設定の工数を大幅に削減したい
3つの条件について、順番に解説します。ぜひ、自社の状況と照らし合わせながら読んでみてください。
条件1. 製造ラインの高速化を計画している
IV4は、従来比80倍の処理能力を持つ高速AIアクセラレータを搭載しており、最速250個/秒の検出が可能です。現在、画像センサの処理速度がボトルネックとなってラインのタクトタイムを短縮できない場合や、将来的な生産能力の向上(増産)を見据える場合、IV4の高速処理が威力を発揮します。
条件2. ワークの位置ズレや高度な検査に対応したい
IV4には、対象物がズレてもAIが自動追従する「学習サーチ」が搭載されています。そのため、搬送時の位置決め機構を簡略化・削減したい現場に最適です。
また、これまでの「有無判別」だけでなく、製品の個数を数えたい(学習カウント)、賞味期限などの文字を読み取りたい(学習OCR)といった新たな検査ニーズが発生した場合も、IV4なら1台で対応可能です。
条件3. 多品種生産で、品種切り替えや設定の工数を大幅に削減したい
IV3では、新しい品種を登録する際に「OK品」と「NG品」の画像をそれぞれ登録し、AIに学習させる必要がありました。IV4は学習済みAIがパッケージ化されているため、最低1枚の基準画像を登録するだけで設定が完了します。
品種の切り替え頻度が高く、設定にかかる手間や立ち上げ時間を極力ゼロに近づけたい現場には、IV4の操作性が大きなメリットとなります。
IV3のままでも十分な3つのケースと、乗り換え前に確認すべきチェックリスト

IV4は非常に高性能なセンサですが、すべての現場において必ずしも乗り換えが必要なわけではありません。現在の課題や検査内容によっては、IV3シリーズのままで十分に役割を果たせるケースもあります。
IV3のままでも十分な3つのケースを、一覧表で確認してみましょう。
| IV3のままでも十分なケース | 判断のポイント |
|---|---|
| 検査内容が単純な「有無判別」である | 個数カウントや文字認識(OCR)が不要で、「ある/ない」や「表/裏」の判定で事足りる場合 |
| ワークの位置決めが確実に行われている | 治具などで固定されており、搬送時のズレがIV3の「位置補正ツール」でカバーできる範囲内の場合 |
| 現在のライン速度で処理が十分に追いついている | IV4の超高速処理(250個/秒)を必要とせず、現状のタクトタイムでスムーズに稼働している場合 |
上記の3つのケースについて、IV3の機能的な実力も踏まえながら、そのまま使い続けても問題ない理由を順番に解説します。
検査内容が単純な「有無判別」である
IV3シリーズは「絵作りも検出もAI」というコンセプトのもと、有無判別に特化した強力なAIを搭載した製品です。対象物が「ある/ない」や「表/裏」といった単純な判別であれば、OK品とNG品を各々登録するだけで、AIが最も異なる特徴を自動抽出し、ハレーションや黒つぶれを防止した最適な画像を生成します。
外乱光やシワ、汚れといった環境変化や個体差にも強いため、複雑な文字認識や個数カウントが不要な現場であれば、IV3の実力で十分に対応できます。万が一、運用中に誤判定が発生しても、保存された画像履歴からワンタッチで「追加学習」を行えるため、安定した運用が可能です。
ワークの位置決めが確実に行われている
IV3シリーズにも「位置補正ツール」が標準搭載されており、対象物の位置ズレや回転角度のズレを自動で演算して補正する能力があります。搬送時のズレが少なく、対象物が常にカメラの同じような位置にくるよう治具などでしっかりと固定されている場合や、ズレの範囲がIV3の位置補正でカバーできる範囲内であれば、問題なく稼働します。
IV4の対象物を広い範囲から探し出して自動追従する「学習サーチ」機能がなくても、現状の機構で安定して撮像できているなら、設備をそのまま活かすことが可能です。
現在のライン速度で処理が十分に追いついている
IV4は従来比80倍のアクセラレータを搭載し、最速250個/秒という超高速処理を実現しています。しかし、現在稼働しているラインのタクトタイム(生産速度)に対して、IV3の処理スピードで滞りなくスムーズに流れている場合は、現状維持で問題ありません。
コンベア上を複数同時に高速で流れるワークを止めずに数える「通過モード」のような特殊な運用や、将来的なラインの大幅な高速化(増産)を計画していない限り、センサの性能に合わせてライン速度を落としているといった課題がなければ、移行コストをかける必要はないと判断できます。
乗り換え前に確認するチェックリスト
IV4への移行を具体的に検討する際は、以下のチェックリストを用いて、自社の課題がIV4の機能で解決できるかを確認してみてください。1つでも当てはまる項目があれば、IV4への乗り換えを検討する価値があります。
◻︎現在の画像センサの処理速度に合わせて、わざわざラインの速度を落としていないか?
◻︎ワークの傾きや位置ズレによる誤検知を減らしたいか?(または位置決め機構をなくしてコストを削減したいか?)
◻︎従来の「有無判別」に加えて、「個数確認」や「文字認識」を同じ工程で追加したいか?
◻︎品種追加のたびに発生する、OK品とNG品の両方を登録する設定の時間を削減したいか?
◻︎現場の作業員だけで、専門知識無しで簡単に設定を変更したいか?
まとめ:IV4とIV3の違いを理解して、外観検査を自動化!外観検査装置の導入・乗り換えに迷ったらTMCシステムへ

キーエンスの「IV4シリーズ」は、IV3シリーズの「誰でも使える」というコンセプトはそのままに、AIの性能と処理スピード(最速250個/秒)が飛躍的に進化した次世代の画像判別センサです。最低1枚の画像登録で設定が完了する手軽さや、位置ズレに自動追従する「学習サーチ」機能により、現場の立ち上げ・調整時間を大幅に削減してくれます。
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